ICMチョップとは:ポーカートーナメントの賞金ディールの計算方法
ICMチョップとは、トーナメントで残ったプレイヤーがプレイをやめ、残りの賞金をインディペンデント・チップ・モデル(ICM)で分けるディールのことです。ICMは各プレイヤーのチップ量を、入賞する各順位に入る確率に置き換え、その確率に見合う金額の平均を各プレイヤーに支払います。チップ量の比率で分ける方法に比べると、ショートスタックには少し多く、チップリーダーには少し少なくなります。トーナメントでは、すでにチップを多く持っているほど、追加のチップ1枚の価値が下がるためです。
ディールをするとき
- トーナメント終盤はスタックに比べてブラインドが大きく、ほとんどのハンドがオールインになります。残ったプレイヤーは、特に夜遅くなると、プレイをやめて賞金を分けることに合意することがよくあります。
- ディールには残っている全員の同意が必要です。1人でも反対すれば、そのままプレイを続けます。
- 計算する前に、賞金を全額分けるのか、一部を残してプレイを続けるのかを決めます。たとえば優勝者に¥5,000とトロフィーを残す、といった形です。金額は書き留めておきましょう。
- カジノやクラブでは、合意する前にトーナメントディレクターに伝えてください。ハウスルールが適用される場合があります。
賞金の分け方は3通り
- 均等割り。全員が同じ額を受け取ります。簡単ですが、チップ量を考慮しないので、スタックが近いときにしか公平に感じられません。
- チップチョップ。まず全員が、まだ支払われていない最も低い賞金を受け取り、残りを各プレイヤーのチップ比率で分けます。手計算でも簡単です。
- ICMチョップ。全員が自分のスタックのICM価値を受け取ります。3人以上残っている場合は計算機が必要です。
計算例:残り3人
12人がそれぞれ¥5,000を払ったので、賞金プールは¥60,000、賞金は¥30,000、¥18,000、¥12,000です。場にあるチップ60,000点をすべて持った3人が残っています。
| プレイヤー | チップ | チップ比率 | 均等割り | チップチョップ | ICMチョップ |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 30,000 | 50.0% | ¥20,000 | ¥24,000 | ¥23,100 |
| B | 20,000 | 33.3% | ¥20,000 | ¥20,000 | ¥20,400 |
| C | 10,000 | 16.7% | ¥20,000 | ¥16,000 | ¥16,500 |
| 合計 | 60,000 | 100% | ¥60,000 | ¥60,000 | ¥60,000 |
チップチョップ:各プレイヤーが3位賞金の¥12,000を受け取り、残りの¥24,000をチップ比率で分けます。
¥60,000全額をチップ比率で分けないのはなぜでしょうか。その場合プレイヤーCは¥10,000となり、3位ですでに確定している¥12,000より少なくなってしまいます。だからチップチョップでは、まず全員に最も低い賞金を支払います。ICMはさらに一歩進めて、チップリーダーからショートの2人へ、さらに¥900を移します。
ICMの数字の計算方法
ICMはチップ量から各プレイヤーが1位、2位、3位になる確率を求め、それぞれの確率にその順位の賞金を掛けます。プレイヤーAの場合は次のとおりです。
- 1位になる確率はチップ比率です:30,000 ÷ 60,000 = 50%。
- 2位になる確率は、ほかのプレイヤーが1位になる場合をすべて足し合わせます。Bが1位(確率3分の1)なら、Aは残り40,000点のうち30,000点を持っているので75%。Cが1位(確率6分の1)なら、残り50,000点のうち30,000点なので60%。したがって 1/3 × 75% + 1/6 × 60% = 25% + 10% = 35% です。
- 3位になる確率は残りです:100% − 50% − 35% = 15%。
- ICM価値は各確率に賞金を掛けて合計したものです:50% × ¥30,000 + 35% × ¥18,000 + 15% × ¥12,000 = ¥15,000 + ¥6,300 + ¥1,800 = ¥23,100。
| プレイヤー | 1位 | 2位 | 3位 | ICM価値 |
|---|---|---|---|---|
| A | 50.0% | 35.0% | 15.0% | ¥23,100 |
| B | 33.3% | 40.0% | 26.7% | ¥20,400 |
| C | 16.7% | 25.0% | 58.3% | ¥16,500 |
これはマルムス・ハービル(Malmuth-Harville)モデルで、多くの計算機が使っているICMです。人数が増えると順位の並び方は急速に増える(4人ですでに24通り)ので、計算機を使いましょう。
ヘッズアップではICMとチップチョップが一致する
残り2人のときは、ICMとチップチョップの答えは同じになります。賞金が¥30,000と¥18,000、スタックが40,000と20,000だとします。各プレイヤーがまず¥18,000を受け取り、残りの¥12,000を2対1で分けるので、チップリーダーが¥26,000、もう1人が¥22,000です。
ICMが考慮しないこと
- 腕前。実力のあるプレイヤーが、ICMの金額より多くを求めるのは無理のないことです。
- ブラインドとポジション。ICMが見るのはチップ量だけで、次に誰がビッグブラインドを払うかや、ブラインドの大きさは考慮しません。ブラインドとポジションを含めてショートスタックのプレイを練習したいなら、トーナメントプレイヤー向けの無料プッシュ/フォールド練習ツール Push Fold Trainer(英語)があります。
- 全員が納得する金額。実際には端数を丸めたり、一部の賞金を残してプレイを続けたりすることがよくあります。ICMはルールではなく、話し合いの出発点と考えてください。
BlindClockでの計算方法
ICMチョップはBlindClock Proの機能です。クロック画面からペイアウト計算を開き、分配方法をチョップにして、各プレイヤーのチップ数を入力します。プレイヤーの横にあるチップアイコンから、スタックを額面ごとにカウントすることもできます。BlindClockは最大9人まで各プレイヤーの取り分を計算し、金額は整数に切り捨て、端数は最も大きいスタックに渡すので、支払額の合計が賞金プールとぴったり一致します。トーナメントにスタートスタックが設定されていれば、賞金を分ける前に、入力したチップが場のチップと一致しているかも確認します。
よくある質問
ICMチョップは公平ですか?
チップ量を金額に換算する方法として最も広く使われており、単純なチップ比率の分配よりショートスタックを守ります。ただし腕前やブラインドは考慮しないので、合意する前にプレイヤー同士で調整してかまいません。
ICMチョップとチップチョップの違いは?
チップチョップは全員に残っている最も低い賞金を支払い、残りをチップ比率で分けます。ICMチョップは各プレイヤーが各順位に入る確率を使うので、チップリーダーからショートスタックへ少しお金が移ります。残り2人なら結果は同じです。
4人以上でもICMは使えますか?
使えます。方法は同じですが計算量が急に増えるので、計算機を使いましょう。BlindClockはファイナルテーブルいっぱいの9人まで対応しています。
チョップには全員の同意が必要ですか?
はい。ディールには残っている全員の同意が必要です。カジノやクラブではディールに関するハウスルールが異なるので、トーナメントディレクターにも伝えてください。
ディールの前、ホームトーナメントの賞金配分はどうすればいいですか?
参加者が10人以下なら上位3人に賞金プールの50/30/20%、11〜20人なら上位4人におよそ50/25/15/10%を配分します。詳しくはサポートページのよくある質問をご覧ください。
BlindClockを使ってみる
ペイアウト計算は無料です。チップカウント付きのICMチョップはBlindClock Proの機能で、Proは一度きりの買い切りです。
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